上之雷電神社(上之村神社・大雷神社)は、埼玉県熊谷市上之に鎮まる古社です。社伝では平安時代以前より続くと伝わり、社叢は千年の森と呼ばれております。境内には、国や県、市に認められた確かな文化財がいくつも遺されております。
参道の木造両部鳥居は、寛文四年、西暦1664年の建立です。平成7年の解体修理の折に、柱のほぞから建造の年と願主、大工の名を記した墨書が見つかり、建立の年が確かめられました。熊谷市内では最も古く、最も大きな木造の鳥居であり、平成9年に市の有形文化財に指定されております。
本殿は二棟が埼玉県の有形文化財です。上之村神社本殿と大雷神社本殿は、いずれも一間社流造、銅板葺の端正なお社で、昭和41年に指定されました。大雷神社内陣の扉には、永禄元年、西暦1558年、忍城主であった成田長泰が修造して奉じた墨書の銘が今も残ります。戦国の武将が確かにこの社に手を合わせた、その証が扉に刻まれているのです。
このほか、漆塗の常設の万灯である振万灯が、祭礼の道具の移り変わりを伝える資料として、平成14年に市の有形民俗文化財に指定されております。
これらは、由緒を飾るための言葉ではなく、年号と銘によって裏づけられた確かな物です。360年を数える鳥居をくぐり、戦国の銘が残る扉の前に立つとき、千年の時が今の一日につながっていることを、静かに感じていただけると思います。















