仏教の四十九日法要にあたる神式の儀式が「五十日祭」です。神式の葬儀(神葬祭)の後、十日ごとに霊祭(れいさい)を行い、五十日祭で忌明けとなります。本記事では、喪に服する期間が一区切りとなる五十日祭について、作法や当日の流れを解説します。
五十日祭とは
五十日祭(ごじゅうにちさい)とは、故人が亡くなってから50日目に行われる霊祭のひとつです。仏教でいう四十九日にあたる節目に位置づけられています。五十日祭では親族や故人と縁の深い方々が集い、故人の御霊(みたま)が安らかに鎮まるよう祈りを捧げます。
神道では、亡くなった方の御霊は葬儀後すぐに祖先神になるのではなく、一定の期間を経て徐々に鎮まり、家の守護神へと近づいていくと考えられています。
一般的にこの五十日祭の日に埋葬祭(納骨)を行うことが多いため、御亡骸がお家から離れたこの日をもって神棚封じを解き、家を守る守護神として正式な霊璽(れいじ・みたましろ)へ御霊を遷し、自宅の祖霊舎(それいしゃ・みたまや)に迎え入れます。
また、五十日祭を終えると、遺族は喪に服する期間が一区切りとなり、いわゆる「忌明け」となります。
五十日祭では遺族から参列者に引き出物が渡されるのが一般的です。

霊祭(式年祭)とは
神葬祭後、節目ごとに故人の御霊を慰め、感謝を捧げる神事を霊祭、または式年祭といいます。故人様の死後100日目までの儀式を霊祭、1年目の命日以降の儀式を式年祭と呼びます。
霊祭には、十日祭、二十日祭、三十日祭、四十日祭、五十日祭、百日祭などがあります。式年祭は、一年祭・三年祭・五年祭・十年祭があり、それ以降は10年単位で式年祭が執り行われ、満50年目の五十年祭で弔い上げになります。
これらの神事を通じて、故人や祖先の御霊を敬い、家族の安寧と繁栄を祈ることが、神道の大切な習わしです。
五十日祭の流れ
ここでは一般的な五十日祭の流れをご紹介します。
①修祓(しゅばつ)の儀
神事に先立ち神主が「祓詞(はらえことば)」を奏上し、大麻で参列者や祭壇、神饌など、祭場の一切を清めます。
②一拝(いっぱい)
御祭開始の一礼をします。
③献饌(けんせん)の儀
御霊前に米・酒・野菜・果物などの神饌を丁寧にお供えします。
④祝詞奏上(のりとそうじょう)の儀
神職が故人の御霊に対して、五十日を迎えたことの報告と、御霊の平安や祖先神としての安定を祈る言葉を奏上します。
喪主、遺族、親族、故人の知人という順番で神前に玉串を奉ります。玉串を捧げた後には祭壇に向かって「二礼・二拍手・一礼」をおこないます。拍手の際、音を立てずに行う拍手「偲び手」で行います。
⑤合祀(ごうし)の儀
故人の御霊は亡くなってすぐに祖先神となるのではなく、一定期間を経て徐々に鎮まり、五十日を節目として祖霊に迎え入れられると考えられています。そのため、この忌明けにあたる五十日祭の中、もしくはその直後に合祀祭が行われます。仮霊舎から正式な霊璽へ御霊を遷し、祖霊舎にお祀りします。
⑥玉串奉奠(たまぐしほうてん)の儀
神職以下、参列者が近しい順に玉串に慰霊の祈りを込めて拝礼します。その際の拍手は「忍び手」といい音のせぬよう二回手を合わせるご作法で行います。
⑦撤饌(てっせん)の儀
お供物を丁寧にお下げします。お酒やお水のふたを閉じるなど略儀にて行います。
⑧一拝
祭典を結ぶに当たり皆で心を合わせて深い一礼をします。
⑨墓所清祓い・墓前祭・埋葬祭
墓所へ移動し、事前に石屋さんに納骨室(カロート)の扉を開けておいて頂きます。
墓所清祓いは、墓所の内外を祓い清める神事です。墓前祭は、ご先祖様や一族をご守護くださる神々に新に御霊が加わることのご奉告をする神事、そして埋葬祭はご先祖様と故人様に対し、無事に亡骸を納めたことをご奉告する神事です。
⑩直会(なおらい)の儀
直会とは、神道の儀式の終了後に行われる会食のことで、神事の締めくくりとして位置づけられています。神道では、神前に供えた神饌を神様と人とで分かち合うことで、強く結び付くことができると考えられています。

⑪清祓(きよはらい)の儀
神道では、故人が亡くなると「穢れ」を避けるために神棚の扉を閉じ、白い紙で封じる「神棚封じ」を行います。清祓の儀は、この封じていた白紙を取り外し、神棚を元の状態に戻すための儀式です。
本来、この清祓の儀は五十日祭の翌日に行われるのが正式な形ですが、近年では儀式の簡略化に伴い、五十日祭と同日にあわせて行われるケースも増えています。
五十日祭のマナー
まず服装については、基本的には仏式と同様に喪服で問題ありません。
男性の場合は、黒のスーツに黒のネクタイを着用し、装飾品は結婚指輪以外は外します。靴や靴下などの小物類も黒で統一し、全体として落ち着いた装いを心がけます。
女性は、黒のワンピースまたはツーピースを着用し、アクセサリーは結婚指輪と真珠のネックレス程度に留めます。それ以外の装飾は控え、靴やストッキング、バッグなども黒で統一します。
なお、神式の場合は仏式と異なり、数珠は使用しませんので持参しないよう注意が必要です。
香典については、御玉串料や御榊料、御神前といった表書きを使用し、仏式と同様に黒白または双銀の水引の不祝儀袋を用います。蓮の花など宗教色の強いデザインは避けるのが基本です。











